[公開日:2011年9月12日]
背景・目的
C型慢性肝炎に対する標準治療であるペグインターフェロン・リバビリン(PEG-IFN/RBV)併用療法は日本人で最も多い1型高ウイルス量の難治例では著効率は50%にも満たない上に、発熱、倦怠感、血球減少などの副作用が必発である。特に、血球減少により薬剤減量や治療中止を余儀なくされ、治療効果が低下することが報告されている。したがって、治療前に血球減少を予測できれば薬剤投与量を調節することで、より高い治療効果が期待できる。本研究では、貧血や血小板減少に関連する宿主因子をゲノムワイド関連解析(GWAS)により同定し、その臨床的特徴を明らかにしている。
方法
2007年から2010年にかけて、全国14施設の肝臓専門施設の協力を得て(ヒトゲノム倫理委員承認、書面上での同意)、PEG-IFN/RBVを施行されたHCV-1 高ウイルス量患者から合計303検体を採取した。Affymetrix Genome-Wide Human SNP Array 6.0にて約90万SNPsを決定し、貧血や血小板減少の有無によりGWASを実施した。得られた結果を検証するため、別のコホートから444検体を収集し、確認試験をTaqMan PCR法などで実施した。